大阪 弁天町 にあるサウンドバー吟遊詩人で LIVE DRAW が行われました。分厚い雲が空を覆い、夕日が雲をオレンジ色に染めていました。吟遊詩人というサウンドバーは、もともと船乗り場だった建物の中にありました。関西汽船という大きな看板が目印で、すでに廃ビルとなっている物件です。しかし、面白いのはここからです。小さな小学校位あるコンクリートの建物の中には、様々なジャンルのクリエイターが巣を作っています。
昔は待合室だったのでしょう、大きなガラスで囲まれた部屋には、無造作に本や書類、古いパソコン、お気に入りのポスターや雑誌の切り抜きが独特の世界を作っています。そこはグラフィックデザインの会社でしょうか。かと思えば、喫茶店があったり、服屋さんがあったりします。何かタイムスリップしたような錯覚を覚えます。吟遊詩人もコアでロックな店内では負けていません。どこからともなく集まった品々が個性を引き立て合っていました。
いつものように、少し早く会場に入って絵を描くスペースを確保します。今回は紙を変えてみました。いつも使っている表面がサラサラのケント紙です。前回までのLIVE DRAW では、パステルのノリの良さを重視して荒い紙質のボードを使っていました。サラサラのボードにしたのは、淡い印象を出してみようと思ったからです。いつまでも同じようなタッチの絵を描いていても楽しくないですから。空き性なんでしょうかね。
NO,1
〜無題〜
[music : ハルミ]
吟遊詩人の雰囲気にぴったりのメロディ。暖かくて芯がしっかりしている感じとでも言いましょうか、元気な卵が鉄板の上で大きくこんがり焼かれるよう。熱帯雨林の植物が次々に登場します。都会的な寂しさも表現されtrていましたね。
NO,2
〜無題〜
[music : 浅田 純平]
今回は詩の朗読をしてくれました。ちょっとビックリしましたが、テンポの良い読み方で自然に聞き入っていました。想いを伝える事がどんなに難しいか、時には風まかせにしてしまう事もあるでしょう。浅田さん独特の鼻がこもったような歌声が、日常をドラマチックなストーリーに変えていきます。色々な記憶が渋く蘇ってきます。
NO,3
〜無題〜
[music : タテタカコ]
映画「誰も知らない」の挿入歌を歌うタテタカコさん。マネージャーらしき方がおでこに冷えピタを張りながら頑張ってたのが面白いですね。どんな歌を歌う人なんだろう、そんな事ばかり気になっていました。出ましたピアノです。ピアノの音色にめっぽう弱い私は、けん盤が弾かれるたびに想像するんです。自分の周りはいつの間にか違う世界が広がり、そこにある風が肌をかすめる感覚までも感じるんです。夏のラムネの瓶が汗をかくような歌声は、懐かしくも爽やかでした。透き通った感じがピアノとよくあいますね。
広大な草原、風で波打つ草花。空には雲だ。雲が流されてゆく。真ん中に人、とても小さいのに周りを吸い込んでゆく。全身の血がゴーゴーと流れているのを感じる。ピアノの旋律が光のように飛んでくる。地をはう流れ星の様に。このまま歌に流されていたい、そんな心地よさに感動しました。
NO,4
〜無題〜
[music : カオリーニョ藤原]
名前を見て勝手に女性かとおもっていましたが、陽気なおじさんでした。ギター片手にアロハ風のシャツを着たカオリーニョさんは、いつも笑顔です。今日は売るつもりのCD忘れました〜のMCから始まり、ライブ終わりまで笑いが飛び交います。歌はとっても心地の良いボサノバ。でも普通のボサノバじゃないんです。日本語が混じっています。これは演歌です!演歌ボサノバです!なんかミスマッチな感じがしますが、これがとても合ってるんです。ボサノバの優しーいメロディに演歌の魂の言葉が乗ると、すばらしい曲になるんですね。あまりに酔いしれてしまって、最後は絵を描くのを忘れて手拍子してました。もっと聞いていたかったですね〜。
いつもと違うライブハウスでのLIVE DRAWでしたが、マスターも快く迎え入れて下さってとても心地よかったです。壁一面に描かれた絵がスポットライトに照らされて浮かび上がり、ほんとに踊ってるように見えました。ここは海の側で、人が少ない場所だけど、全然寂しくないんですね。いつでもこうやって情熱的な人が集まっては、宴が開かれるんですから。少しの時間でもその暖かさを共有できたのを嬉しく思います。 又、来たいですね。ありがとうございました。
帰りはテハンノのみなさんと一緒に電車に揺られて和みながら弁天町を後にしました。
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