天使の声というものがあるとすれば・・・

 大阪 弁天町 ライブバー吟遊詩人でLIVE DRAWが行われました。かなり、ブランクがあってのライブドロウでしたが、マスターのジャンさんに助けられたと言っても過言ではないくらい、みんなの力を感じながらのイベントになりました。

 出来上がった作品は、どれも個性的で素晴らしいものになりました。もちろん、唄声はほんとによかったです。もし、天使の声というものがあるとしたらそれは間違いなく、この夜の唄声ではないかと思えます。

↑いつもの画材。だんだんと味が出てきました。ほんとに描き味も色もそれそれ。

→ライブ前にカクテルを振る舞うジャンさん。音楽も出来てお酒も作れる、NYが間違いなく似合う男です!個人的なイメージですが。

 この日、私の足どりは軽かった。気分は期待感で一杯。きっと素晴らしい夜になると確信していました。

 今回はマスターのジャンさんにお誘い頂いて、参加する事になったのですが、ほんとに久々のライブで正直不安ばっかりがあったのです。スランプの時期のような感じでしょうか。絵に向かう事がすごくおっくうになってしまっていたのです。

しかし、又とないチャンスにそんな事は言ってられません。なんとかこのブルーな時期を脱出したいと考えていたし、とりあえず画材を買いに出かけてみました。そこで何か気分が変わるかもしれないと思いながら。

こういう窮地にいる時こそ、悩まずに動いてみる事です。そうすれば何かしら道が見えるものです。そう思えた訳は、画材屋さんでいいアイデアを思いついたから。

今回は、既製サイズのカンバスに描くのはやめて、横長のサイズで描く事にしました。横長だと映画のワンシーンのようないい雰囲気が期待できるからです。

↑横長のマーメイドボードに描かれた作品。左から右へ、右から左へ、時間も表現できます。

LIVE DRAW 2006 in Ginyushijin

S-key-A

 まったりした時間が終わり、いよいよライブ開始。今回もうひとつ工夫した所があります。それは、リハーサルから描き始めるという事です。少しでも長く、アーティストの一挙手一投足を感じる事と、絵を描く時間を多く取るため。 

 トップはS-key-Aさんです。スキアと呼ぶそうで、いつもクラブや大きなライブハウスでR&Bやソウルな唄を歌う、全国を股にかけるシンガーです。終始にぎやかな彼女はほんとに今日のライブが楽しみな様子。白いワンピースがまさに天使のよう。そしてこのあと、とんでもない唄声を目の当たりにするのです。

↑伴奏を担当するけんたろうさん。難しいであろうソウルなメロディをしなやかな鍵盤さばきで奏でます。

力強い唄声、透き通るメロディ、高い音域の神秘的な声。そしてしなやかな空気。

ブルーの夜空を照らすサーチライト、鳥の羽ばたきがスローモーションで流れる。ビルは月明かりを反射し、活気と静寂の表情を見せ、流れ込む光。

中央のピンク色がスキアさんの唄声とそのイメージ。リボンのように空を舞う声は、薄く透き通る。

選ぶ色に迷いは無く、ブルーからピンクに移り変わるグラディエーションがまさにスキアさんのイメージにぴったり.。

スキアさんのBLOG

MUSIC:S−key−A トワイライトシティ

LIVE DRAW 2006 in Ginyushijin

クサンチピータ

 ゆーっくりなメロディ、心地よい声、穏やかなさざ波が足をかすめて行く感覚。京都出身ということもあってか、ギターをゆっくり弾くたびに、音が日本庭園をイメージさせます。

声の強弱が、日本庭園の間の強弱に似ている。静かな箱庭の意味が無いようである木の間隔。深い間のある音が季節と季節のあいだのような絶妙な感覚を生み出しています。

 ほら、ゆっくりあるいてごらん。左から右へ。街のビルの陰をよけながら。並木のさえずりを聞きながら。風の吹く方へ足を向け、日の照る方へ顔を向け。

朝の日の青さ、夜明けの月の明るさ。全てがそこから始まり、ごはんを炊く湯気と、タクシーが走り始めるガスの煙が足下を流れる。 電車が線路をたたく音が、心地よいリズムで朝を知らせてくれる。

一日の始まりが、こんなにステキに感じる。昼から夜へ。なんの迷いもなく歩く事が出来る。歩いた後には、記憶と余韻と因果関係が残る。それがまた新しい世界を作り出す、そういう光景。言葉がこんなに無力で、メロディがこんなにたくましい。色でこんなに心が躍る。

クサンチピータさんのサイト

MUSIC:クサンチピータ 気まぐれな一日。

LIVE DRAW 2006 in Ginyushijin

月夜

 音のひなたぼっことはこの事でしょうね。月夜(つきよ)さんの奏でるギターの響きと、オレンジ色の照明が相まって、あたりを牧場の片隅へと誘います。ほぼプロとして活動しているようで、和める空気にファンも多いでしょう。小柄な体からは想像もできない程の芯の強い声が、月夜さんの努力を物語っているようです。

 大きな空に漂う雲。上の方は流れが早くて、下の方はゆっくり流れる。自然に緑やオレンジの色が走り始める。

風にもまれて遊ぶ楽しさ、帰る家がある事の嬉しさ。どこまで行こうか、どこから帰ってこようか。猫の旅路があるとしたら、それはどんな視点なのだろうか。草原の向こうの、何所までも続く緑の道を、いばらのトンエネルを抜けて、見える世界とは。

眼に映る大きな魚のシルエット。猫のポケットにはいつもそんな美味しい思い出が詰まっているのかも。暖かい日にあたって、やっぱり寝ていようかな。ゴロン。

月夜さんのサイト

MUSIC:月夜 ネコの道中画

LIVE DRAW 2006 in Ginyushijin

出来上がった絵を、少しのため息とともに眺めるのが最高の瞬間です。感性の赴くまま手が動いてくれる事、頭の中にイメージがわいてくる事。すべてが臆病になっていた自分を戒めてくれる。自分の中の本当のイメージと実力を目の当たりにする瞬間。それが人に何かしらの感情を起こさせてくれる事。

音楽を聴いてそこに見える風景を、見えない風景を描く事。焼き付ける事。他の人にも見えるようになる事。こんな素晴らしい作業はない。

今夜、出演して頂いた方々に感謝。そしてお客さんにも感謝。なによりマスターのジャンさんに感謝。

また、絵を描きたくなってきた。

サウンドバー 吟遊詩人

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Mail / soundbar@taupe.plala.or.jp